2015年11月3日にパシフィコ横浜で行われた、「モーニング娘。'15 コンサートツアー秋 ~PRISM~」に参戦してきました。
……といっても、この記事はコンサートのレポではなく、参戦して、昔を思い出したヲタの自分語りを延々と書いているだけです。
本当に只の思い出話なんですけど、どうしても誰かに聞いてもらいたくなったので書きます。
誰か一人でも聞いてくれたら、わたしとってもうれしいです!
一曲だけセトリのネタバレありますので、ご注意下さい。
モーニング娘。'15 コンサートツアー秋 ~PRISM~」。
ラストの一曲はこの曲でした。
2002年に発売されたモーニング娘。の16枚目のシングル『ここにいるぜぇ!』。
モーニング娘。のエースだった、後藤真希の卒業後、初めて発売されたシングルです。
当時、最初のソロパート「自分をぶち破れ!」を歌っていたのは、モーニング娘。の顔、なっちでした。
それから、13年。2015年11月のステージで、このパートを歌っていたのは、今のモーニング娘。の顔、鞘師里保でした。
また、最後のソロパート「自分をぶち破れ!」を歌っていたのは、当時のモーニング娘。のエース、高橋愛でした。
このパートを歌っていたのもまた、鞘師里保でした。
昔の顔と、今の顔。昔のエースと今のエース。
鞘師の中に娘の歴史が重なったその瞬間に、私の中できゅるきゅると時間が遡って、13年前、私が鞘師くらいの年齢だった時の頃を思い出しました。
□娘。は嫌いだった。狼が好きだった。
当時、私がまだティーネージャーだった頃、私は、ご多聞に漏れずあまり友だちもいなくて、休み時間はよく学校の廊下を歩いていました。
小さい頃からずっと、図書館の本と週刊少年ジャンプが友だちみたいな生活を送っていたから、流行りものに全然ついていけなくて、ASAYANもうたばんも見たこともなかった。
そんな私にとって、「モー娘。」は、私がついて行けない"みんなの話"の象徴みたいなもので、どちらかというと「大嫌い」でした。
そんな私が、当時、ハマり始めていたのが、インターネットでした。
1990年代のインターネットってまだ、従量制で、ダイヤルアップ接続をうぃーんうぃーん言わせながら接続してたのですが、2000年代に入ると我が家にも、常時接続のインターネットが導入され、一日中インターネット見放題の環境が整いました。
学校で無視されても、家に帰って、四角いパソコンの電源を入れて、インターネットエクスプローラのeのアイコンを押せば、私の「ここ」とは全く違う世界に行ける。インターネットには、好きな場所を自分で探して、自分でアクセスできる自由な世界がありました。
気付けば私は、インターネットに どっぷりハマり、家から帰ればすぐにPCの前を陣取る学生になっていました。
インターネットをめぐるうちに、「2ちゃんねる」の存在を知りました。そこには、ずっと人がいて、ずっと誰かが何かの話をしていました。当時はまだTwitterはもちろん、SNSなんてほとんどありませんでしたから、インターネット上で誰かと時間を共有しようと思ったら、事前に時間を示し合わせてチャットに集まるとかそういうのしかなかったんです。
だから、「ずっとそこに誰かがいる」2ちゃんねるって凄いところでした。
で。
当時、その「2ちゃんねる」で一番人が多い板の一つが「モ娘(狼)」という、モーニング娘。やハロプロについて語るための板でした。
人が多すぎて、他に「狼」の他に「羊」と「鳩」という板が用意されているくらい、当時のモ娘関係の板には人がいっぱいいて、毎夜祭りみたいな盛り上がりを見せていました。
その盛り上がりに誘われて、「羊」をちょっと覗いてみると、そこにいる人は、皆、学校でみんなが話している「モー娘。」の話をしているはずなのに、「学校でみんなが話している」ようなことなんて、一つも話していませんでした。
彼らはむしろ、「学校でみんなが話している」ようなことなんて、ニワカの言葉にすぎなくて、モーニング娘。の現状や、事務所の意図を何もわかってない! みたいなことを延々と書き込んでいました。
そこは、明らかに学校とは違う価値観で世界が回っていました。
なのに、人が沢山いて、ずっと、わいわい、話をしていました。
それがとても居心地が良くて、気付いたら、私は「狼」と「羊」にハマっていました。メンバーのフルネームだってろくに言えないのに、リロードすればすぐに増えて行く書き込みに、辿っても辿っても最初のスレッドにたどり着けないほどの大量の書き込みの蓄積にハマりました。
□「ここいる」とののヲタの祭り
私は、狼に「学校ではない場所」を求めてただけだったので、最初は、娘。自体に興味はありませんでした。
狼にいる人たちがワーワー話しているというその事実だけに興味がありました。
しばらく、モーニング娘。の曲をフルで聞いたことはないけど、福井出身の高橋という子はソロパートがたくさんある次期エース候補らしいことは知ってる……みたいな状況が続きました。
そんな私がモーニング娘。にもっと興味を持つきっかけになったのが、『ここにいるぜぇ!』です。
そう、ようやく、ここで「ここいる」の話が出てきます。
『ここにいるぜぇ!』は、前述の通り、後藤真希卒業後のモーニング娘。を方向付ける、とても大切なシングルでした。
そんな『ここにいるぜぇ!』が発表された時。
その時の……
ののヲタの盛り上がりと言ったら……!
辻ちゃん=ののは、後藤真希の卒業シングル=エースの継承を告げる一曲でもあった『Do it! Now』で、ソロパートがなかったんです(見せ場も殆どなかった)
そんなののが、その次の『ここにいるぜぇ!』でソロパート、しかもテレビで絶対使われる一番のサビという超重要パートを任されていたものだから、ののスレがもうすごい勢いで伸びて、彼らは四六時中、「朝の情報番組でのののアップが使われていた」「この曲はののセンターと言っても過言ではない」「いやそれは流石に言い過ぎだ」「センターではないとしても最後のコーラスでソロパートを任されている辻・加護・紺野が事務所の推しだ間違いない」とか。
もう、朝から晩までずーーっ とそんな話をしていました。
朝の情報番組に、数秒流れるMVの映像で、100レスくらいは平気で消費する彼らが、
おもしろすぎました。
俺はこう思う!それだけでこんなに盛り上がれるところがおもしろすぎました。
(ののオタが面白すぎたから、私は今でも黄金期のメンバーでは辻ちゃんが一番好きです)。
そうやって私は、新曲が発表される時に掲示板が盛り上がる楽しみを知り、気付けば、モーニング娘。の新曲を楽しみにするようになり、メンバーのフルネームも言えるようになっていました。
だから、私にとって、「ここいる」は、私をモーニング娘。の世界に引き込むきっかけになった曲です。
□「ここ」に来るのに13年かかった話
だけど、当時の私にとってモーニング娘。とはすべてがインターネットの世界。
私自身も、ずっと「ここじゃない」場所を求めて、モーニング娘。の情報を追っていたので、「現場」に自分も参戦するなんて選択肢は私の中にはありませんでした。
この、夏休みも春休みもPCの前にはりついている、インドアで、眉毛もぼうぼうで、お金もない、地方民の私が?
あのオシャレな子たちが行くライブという場所に行くとか?
絶対にありえなかった。
だけど、それから13年。
私は確かにライブ会場で『ここにいるぜぇ!』を聞きました。
メンバーの「ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!ジャンプ!」の声に合わせて、跳びました。
私は確かに「ここにいた」し、そこは間違いなくワンダーランドでした。
当時の私は、ライブも、ヨコハマも、絵空事だと思ってました。
だけど、大人になった私は、自分で家賃を払って一人暮らしをしていて、自分でライブのチケットをとって、電車に乗って会場に足を運んで、サイリウムを持って席について、大声で歓声を上げている。
モーニング娘。'15の『ここにいるぜぇ!』は、私が、今、かつての自分が予想もしていなかった、「ここ」にいるんだということを思い出させてくれました。
私の居場所は、パソコンの前だけじゃなかったし、インターネットの中だけでもなかった!
同時に、これから先も、10年経てば、もしかしたら、私が絶対に行けないと思っていた場所にだって、行けるかもしれないじゃん! 今からでも夢の翼広げちゃえばいいじゃん! っていう、そんな勇気ももらいました。
だから、もちろん、モーニング娘。’15のパフォーマンスはぜんぶ素晴らしかったんですけど(セトリもすごくよくて、聞きたい曲全部聞けました)、『ここにいるぜぇ!』を聞いたあの瞬間は、私のこれまでの13年にとって、すごく大切な時間になりました。
もしかしたら、今も、Twitterでライブの感想を眺めならが、私もライブ行きたいけど行けない……とか、東京なんていけねーよケッ、ってなってる中学生とか高校生の子がいるかもしれないですけど、未来はどうなるか分からないから、踏ん張れ!って無責任だけど、そんなことを伝えたくなりました。
*
こんな体験も、10年以上も前の曲を「私たちの曲」として大切に歌い続けてくれているモーニング娘。'15がいるからできたことです。
私、ハロー!の現場は、ベリの3/3のコンサート以来だったんですけど。
実際に現場に復帰してみて、やっぱり、今応援できるべき人たちは今応援しないとダメだな、「ここ」が「ここ」であるうちに、行ける現場には行っておかないとだめだなって、強く思いました。
どうしてももう一回「ここいる」が聞きたくて、できれば武道館も行きたいけど……行けるかどうか分からない……んですけど、2015/11/3に確実にモーニング娘。'15の13人を見られたことは、私にとってとっても大切なことでした。
モーニング娘。'15が'15を突っ走れるように、これからの2ヵ月をできるかぎり応援して行きたいなって思います。
ここまで読んで下さってありがとうございました!
ほんとうに、誰かに聞いてほしかっただけなんですけど、読んでくださったあなた、こんな最果てのヲタの戯言を聞いてくださってありがとうございました。すっきりしました。