ニワノトリ

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日記:完全犯罪≠いちご完全犯罪

倒れたショートケーキ、服についたジャム、溶けた苺フラッペ。2023年9月26日に発売されるMETAMUSEMAPA『いちご完全犯罪』。この曲の歌詞やジャケット、MVに登場するケーキや苺のイメージは大森靖子の過去の曲を想起させる。僕は大森靖子ファンなので、そうい…

日記:タロット②

2022年12月20日 理想の観客像がある。ステージを前に自分を無にする。僕の全てを忘れ、ステージに没頭する。ステージをただ見て、ただ感じる「箱」になる。脳と五感と身体のすべてを目の前の音楽と風景に賭す。それが僕の思う「理想の観客」だ。大森さんのラ…

日記:タロット①

2022年12月20日 ※(この投稿に関わらず、このブログに書いてある全てがそうですが)これは大森靖子さんの曲をよく聞く人が、"大森靖子作品"について、独善的にああだこうだペラペラ喋ってる"チラシの裏"的日記です。 *** 大森靖子の2022年のツアー*1「超…

日記:新潟

2022年6月19日 新潟にZOCのライブを見に行く。新潟の現場は初めてだ。日程的に今回のツアーで見に行けるのが他にない……という事情で選んだだけなのに、新潟駅で地図を眺めていると、この街こそが大森靖子が作った音楽を聞くべき場所なのだ、という気がしてく…

日記:VOID⇆DELETE

2021年8月5日 12:00 (この日記はこの記事(『VOID』について書いたもの)の続きである) かつて私がすごく好きだった彼女は夫に酷いDVを受けていて、しかし、その夫が元夫に変わった後も、彼女はいつも男の話をしていた。離婚を経てそれは家の中で暴言を吐…

日記:リミスタ

2021年7月6日0:00 毎日大森さんの曲を聞いている。正確にいえば、ウォークマンにダウンロードした大森靖子の"音源"を聞いている。つまり、『Kintsugi』とか『大森靖子』とか『クソカワPARTY』とか。一つの"アルバム"や"シングル"として完成された作品を、そ…

日記:Kintsugiのある風景

2021年6月28日12:00 WALKMANの電源を入れて再生ボタンを押す。店内BGMがノイズキャンセリングされて「夕方ミラージュ」が流れ出す。去年発売された、大森靖子のアルバム『Kintsugi』……の一曲目。新しいアルバムがもうすぐ出るのに、新曲の先行配信も始まって…

日記:"シンガーソングライター"

2021年6月21日0:00 ZOCのアルバムも発売され、7月には大森靖子の新しいアルバムが発売されるのに、相変わらず『シンガーソングライター』ばかりを再生している。(『シンガーソングライター』が収録された)『Kintsugi』が発売されたのは去年の12月、次のア…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(終)

「青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ」は筆者の私の体験も交えながら書いたフィクションです。 青柳カヲルが描いた絵のタイトル、ツイートの日時など、青柳カヲルの活動に関する情報は青柳自身のHP、ツイート、個展会場でもらったリーフレット…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(8)

僕にとって、青柳カヲルの絵とは観るものであると同時に着るものでもありました。青柳カヲルは個展 “Living iDoll”、WEBSHOP “BaphoMessiah”、 “感情の絵日記”として一日限りのドローイングを365日発売し続けた “Day Dream Drawing”などを通して絵を売ってき…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(7)

この手記を終わらせるには、結末、結論、結果など、何らかの「結び」がなければなりません。僕は最初、この7日目の手記に「青柳の作品の中に、僕は “You”という偶像から “I”の肉体へというテーマの移行を見た」というようなまとめを書いて終わりにしようとし…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(6)

2020年8月14日6時00分(PM) 思えば、2020年の夏に見た青柳カヲルの絵や彼女が関わった作品には、死と再生のテーマについてよく考えさせられました。 youtu.be 2020年8月14日、大久保薫のソロプロジェクト “奇妙•<>•関係(キミョウナカンケイ)” の第一弾 …

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(5)

2021年3月16日、一部内容修正しました。 2020年10月11日 11時59分(PM) 10月に入ってから、他ならぬ青柳カヲル自身が自分の「顔出し」についてnoteで言及し、文章にしました。 生存を宣言するため、つまり、自分が他の誰でもない私であるということをわかりや…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(4)

2020年8月30日8時1分(PM) 青柳カヲルがある1枚の絵を公開したのは、“Living iDoll”から1年半が経った2020年8月の終わりのことです。2学期という季節を目前にしたその日、僕はもう一度、ゆいみちゃんのようなアイドルに出会うことになりました。 "Living Doll…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(3)

2019年3月19日7:00(PM) 青柳カヲル初個展 “Living iDoll”は2019年3月、東京都目黒区の “rusu”というギャラリーで開催されました。この個展の案内文には次のように書かれていました。 とある絵描きの脳内にのみ存在するアイドルYouInMe(ゆいみ)ちゃん。その…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(2)

2020年9月19日9時2分(PM) 僕が“THE LAST LIVE”について今一度考えるには、彼女の個展が行われた2年前の冬ではなく、昨年の夏を思い出すことから始めなければなりません。青柳カヲルが唐突に「顔出し」をしたのは、個展から1年半が経った2020年9月19日のこと…

青柳カヲル"THE LAST LIVE"を見た人の手記ブログ(1)

2021年2月8日4:30(PM) 武道館で “THE LAST LIVE”という絵を見ました。いや、正確にはそのような錯覚に陥りました。薄暗い武道館に浮かび上がるそのアイドルのステージは2年前に見たあの絵によく似ていました。あまりによく似ていたから、だんだん僕は、今、…

一人で行った #大森靖子シンガイアツアー ファイナル@新木場STUDIO COAST

僕は僕が書いたものが嫌いだ。面白くない。ワクワクしない。美しくない。書けば書くほど頭の悪さが露呈して、才能のなさが露呈して、これを書いているのが僕でなければいいのにと思う。僕が見たもの、読んだもの、聞いたもの。あの豊潤な世界がこんなにも平…

ZOC『family name』をめぐる雑感 /Go to ZOC! Do you wanna come along with me?

大森靖子さんが「共犯者」となり結成されたアイドルグループ、ZOC のデビューシングルが発売された。 youtu.be 『family name』と題されたこの曲を聞くたび、僕は終わって久しいあの時代、「平成」を代表する名作、『GO』(小説であり、小説を原作とした映画…

#青柳カヲル初個展 "Living iDoll" 鑑賞記

大森靖子さんのCDジャケットやステージ美術、道重さゆみさんのグッズ等も手掛けている、「拡張系絵描き」:青柳カヲルさんの初個展"Living iDoll"に行ってきました。 ここで展示されていた絵は会期中に殆ど売約済となり、二度と同じ展示はされないということ…

Maison book girl『レインコートと首の無い鳥』と『狭い物語』の関係を考える

『レインコートと首の無い鳥』と『狭い物語』はアルバム『yume』に収録されたMaison book girlの楽曲である。この二曲のMVを同時に流すと、『レインコートと首の無い鳥』の井上唯さんが切るシャッターが『狭い物語』のタイトルを映すように見える。『レイン…

大森靖子『クソカワPARTY』について考えて行く その1

大森靖子さんの(とても良い)アルバム『クソカワPARTY』を聞きながら、これはどんなアルバムなんだろう。ということを解釈して行く痕跡/記録/メモ(その1)です。 ※これまでに書いてきた考察系の記事より「まとまり」はないと思います。 こちらの『クソカ…

『VOID』という間隙

最近、大森靖子さんの『VOID』を聞くと、私の頭に、とある"フィクショナルな"風景が浮かんでくる。 ということを書き留めておくための日記です。 ※『VOID』は大森靖子さんのアルバム『クソカワPARTY』に収録されている曲です。 ************************** …

Maison book girl『レインコートと首の無い鳥』@『elude』の一つの解釈

Maison book girl『レインコートと首の無い鳥』の一つの解釈/藪の中へ駆け込み訴え(ない) この記事では、2018/06/20にリリースされた、Maison book girlさんのシングル『elude』に収録されている、『レインコートと首の無い鳥』についての解釈を書いてい…

’18年2-3月日記 その2:縷縷夢兎 3rd exhibition ''YOURS"

■2月9日(木) 恵比寿のKATA galleryで行われていた、ハンドニットブランド "縷縷夢兎"、三回目の個展 "YOURS"を見に行った。 上の写真は、個展の会場で私が自分のスマホで撮ったものだが、四枚のうち、一番下の写真が気に入っている。左下にスマホを構えた…

大森靖子 "draw (A) drow" について

2017年8月30日に発売された、大森靖子さんのシングル、 "draw (A) drow"について書いているブログ記事です。 www.youtube.com gyao.yahoo.co.jp ******* そこを超えたら、二度と元の場所には戻れない。そんな瞬間がある。誰かが空に向かって学校の屋上の縁を…

’18年2-3月日記 その1:青柳カヲルさん「0:00」

私が人生で初めて絵を買ったのは、2018年1月20日。土曜日の夜のことだった。東京駅では、スーツを着たり、お土産物をいっぱい手に抱えたりした人が、それぞれ違う方向に向かって、一心不乱に歩いていた。私は彼らの邪魔にならないように、駅弁屋さんの向か…

「超歌手大森靖子 MUTEKI弾語りツアー」中野サンプラザ公演(2018/1/20)に行ってきた

Twitterで、 大森さんの中野サンプラザ公演に急に行けることになったけど、すでにSold Outだった! みたいなことをつぶやいたら、親切なフォロワーさんのお陰で行けることになった。大森さんを好きになった頃からフォローしているフォロワーさんだったので、…

大森靖子「流星ヘブン」@『MUTEKI』に思うこと

www.youtube.com 以下は、大森靖子さんの「流星ヘブン」(@アルバム『MUTEKI』)という曲に対する、私の一つの解釈である。 『流星ヘブン』には、キリスト教における「神」そしてイエスのイメージを感じる。 喉が渇いたけれど 汗よりも涙よりもからだのある …

大森靖子『君に届くな』を「私に届くな」と聞いてみる。

「そこは君自身の家で、君は逃げ出した自分自身を待っているのかもしれない」*1 ■大森靖子『君に届くな』@『キチガイア』について 私が笑ったり 私が泣くのが私のことだなんて許せない 何度も何度もリピート再生してきた曲が、その曲を気に入っている自分を…