ニワノトリ

ハロプロ、大森靖子さん、宇多田ヒカルさん、amazarashiなどのJ-popの楽曲レビュー・考察、ライブレポなどを書いているブログです。カテゴリ「このブログについて」に記事のまとめと更新情報があります。ご連絡はTwitter:@ok_take5、メール:tori.niwa.noあっとgmail.comまで(http://n1watooor1.exblog.jp/は愚痴用になりました)。

「アイドルのミュージカル」と「ミュージカル」の交差点/『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇』の感想3 ※ネタバレ注意※

※これらの感想はすべて、2014/6/8にhttp://n1watooor1.exblog.jp/19878404/ にて公開したものです。一部、加筆、修正しています。
※この感想を書いた時点では、 "TRUMP"未見でした。

 

 

『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇』の感想、その3です。

この記事では、それぞれのメンバー、登場人物について思ったことをまとめました。

感想その1はこちら:「アイドルのミュージカル」とは何かについての独り言。
感想その2はこちら:物語の内容についての勝手な解釈。

 

 


※ネタバレ注意※






 



■リリー/鞘師里保モーニング娘。’14

あまりの無双っぷりに、私は目をひん剥きました。
この「主役になるべくしてなった」感。
やっぱり、鞘師は、「表現力」の人なんだなあ、と思いました。
ダンスうまい。歌上手い。
でも、何より、そのダンスで、歌で、表情も全身も、すべてを使って、内に秘めた感情や苦しみを絞り出し、表現する力がすごい。
ライブやMVで、娘。をぐいぐい引っ張る鞘師も好きです。
が、周囲に合わせることなく、一人で、持てる力を全て開放している鞘師はすごかった。
これからも、この子の舞台を見たい、そう思わされました。


■スノウ/和田彩花スマイレージ

この役はあやちょじゃないとできない
なあ、と思った。
当たり前のように真実を見抜いてしまう聡明な眼差し、知ってしまった真実を前に、一人で震える可憐な姿。
あやちょの凛とした美しさあって成り立つ役柄だと思いました。
そして、何より……生でスマの歌を聞くのは、ブス哲よみうりイベント以来、二年ぶり?くらいだったのですが、正直言って、「あやちょってこんなに歌うまかったっけ?」と驚きました。ダンスもしなやかで、私の中のあやちょ像がものすごいアップデートされました。
美術に対する造詣の深さといい、あやちょの引き出しが無限大過ぎてヤバい。


■ファルス/工藤遥モーニング娘。’14

ごめん、くどぅ。
今まで、どぅのこと見くびってました。サーセン! 本当にサーセン!!


と叫びたくなった。
ただの狂犬チワワだと思ってたよ……。
なんだよ、あの演技力! 
ただのイケメンじゃなかった。舞台をグイグイ引っ張る真のイケメンがここにいた。
みんなでダンスしている時も、視線から所作まで、完全に「ファルス」してて、引き込まれました。
ファルスは前半と後半でポジションが変わる(普通の「男の子」から「ソフィ」へ)ので、すごく、難しい役だと思うんですが、どぅはきちんとモノにしていてすげえ、と思いました。後半でポジションが変わっても、前半から深みのある演技をしてくれていたので、すごい説得力がありました。
かっこよかったです。かっこよかったです(大事なことなので二回言いました)。


マリーゴールド田村芽実スマイレージ

いや、ヤバかった。みんな、ヤバかったけど、ヤバさで言うと、めいめいが一番だった。
才能が溢れてた。滴ってた。
なんだよ、あの歌声……彼女のソロ曲、『もう泣かないと決めた』で、マリーゴールドが「あたしの命は意味を得たの」って声を響かせた瞬間、多分、ホール全体が息を呑む声が聞こえた気がしました。
あの瞬間、観客全員、ごっそり、マリーゴールドに心を持って行かれたんじゃないかなあ。
とにかく、自分の世界観を作り、観客を惹き込む力が圧倒的でした。
彼女は舞台に立つべき人なんだ、と思いました。
これからも、色んな舞台に立って、どんどん自分の力を伸ばして、もっともっと遠くへ駆けて抜けて行ってほしい。そう思いました。


紫蘭福田花音スマイレージ


さすがの安定感です。風格さえ感じる。
紫蘭は口調も特徴的で、結構、マンガチックなキャラクターだったので、難しい役だったんじゃないかと思うんです。自然すぎてもおかしいし、かといって、キャラっぽすぎてもおかしいし……。
たぶん、まろの経験値があったから、こなせた役だったんだと思います。
この役は、サナトリウムの真実を暴く、キーとなる役でしたが、サナトリウムを守ろうとする紫蘭のヒステリー感はリアルで、小さな楽園を守ろうと必死な姿に、見ていて切なくなりました。


■竜胆/譜久村聖モーニング娘。’14

高校生にして監督生役にハマってしまう、フクちゃんの大人力。
いつも紫蘭とセットで出てきていたのですが、紫蘭の、少女らしいひた向きさに対して、竜胆には相手を包み込むような存在感があって、同じ監督生役で、やっていることも殆ど同じなのに、それぞれの個性がにじみ出ていて、面白かったです。
紫蘭と竜胆はファルスに「加担」した少女だったわけですが、リリーやマリーゴールドを演じる鞘師や田村めいめいに比べると、フクちゃんとまろは、二人とも、その役をどう表現するのか、自分を解放しかねているところがあったように感じました。
で も、それも含めて演技なのかもしれないです。最後の一歩を踏み出せずに、考えあぐねている感じに、ファルスに縋るように加担せざるを得なかった、紫蘭と竜 胆の内側にある「孤独」や「恐怖」が表れている感じがして、そんな二人の存在と演技が『LILIUM』という世界観に深みと説得力を与えていたように思い ます。


■シルベチカ/小田さくらモーニング娘。’14

きついバッドエンドで終わるこのミュージカル。
少女たちの想いと命は焼かれ、後には焼野原だけが残った……みたいな容赦ないラスト。

しかし、その焼野原にも、小田ちゃんの可愛さだけは残っていたと思う(なんだそれ)。

小田ちゃんの可愛さはヤバかったです。
小田ちゃんにかかると、全てが手のひらの上で弄ばれてしまう気がする。
シルベチカの存在と彼女が選んだ最期が、この『LILIUM』という物語の最初にあるわけですが、みんなが「死」を選択する(させられる)というラストは、シルベチカが望んだ結末だったのかもしれない。
『LILIUM』は、シルベチカが望んだ結末を導くために、シルベチカが幕を開けさせた、そんな物語なのかもしれない。
小田ちゃんには、そんなシルベチカを演じるにふさわしい、魔性の可愛さがありました。
歌は当然のようにうまい。演技も「本当に初めてなの?」と言いたくなるくらいうまい。
小田ちゃんには、欲しいと思った全てを、本当に自分のものにしてしまう、そんな魔力がある気がする。


■キャメリア/中西香菜スマイレージ

最近、スマイレージの2期メンが、どんどん成長してきてることは知ってた。
でも、かななんがこんなにできる子だとは知らなかった。
正直、かななんには「劣等生」というイメージがあったのですが、キャメリアというこの物語のキーを握る役を堂々とこなすかななんの姿に、そんなイメージは吹き飛びました。
シルベチカとのデュエットを堂々とこなすその姿はプロでした。
アフタートークでは、どぅファルスのかっこよさが話題に上りまくってましたが、かななんも、キャメリアの誠実なかっこよさを引き出し、とてもかっこいい「キャメリア」像を作り上げていたと思います。
シルベチカの相手役として、すごくハマってました。
ちなみに、私、『LILIUM』に出てくるキャラクターの中では、キャメリアが一番好きです。


■チェリー/石田亜佑美モーニング娘。’14

今回、一番見直したのがだーいしでした。
だーいしの最初の台詞、「ばーーーーーーーっかじゃない!?」が聞こえた瞬間、私は、この『LILIUM』の世界に引き込まれました。
ダンスがうまいのはもちろん存じ上げておりましたが、声量、演技力、歌唱力……すべてが、私の知ってるだーいしじゃなかった。常に、私の想定の5倍くらい上を行っていました。
だーいし演じるチェリーは、この物語を展開させる、キーマンだったと思うのですが、だーいしは非常に自然に、その役をこなしてくれていたと思います。
リリーやスノーほど目立つ役ではないかもしれないですが、陰の功労者というか、チェリーの演技に説得力がなければ、『LILIUM』という物語が一気に薄っぺらくなっていたのではないかと思います。
この『LILIUM』という舞台で、だーいしは、すごく「いい仕事」をしていたのではないかというような気がしています。
私は、だーいしを見るたびに、『LILIUM』という世界に生きるヴァンプたちの世界に引き込まれました。


■カトレア/竹内朱莉スマイレージ

髪の毛の色がダントツで明るい。
そこも含めて、タケちゃんヴァンプはいつも底抜けに明るくて、その底抜けさが、常に悲劇を予感させ、引き立てていたと思います。
最初のうちは、タケちゃんが男役じゃなくてかななんが男役なのか……(意外)と思いましたが、
話が進むうちに、タケちゃんの女の子ヴァンプも、かななんの男の子ヴァンプも、すごくハマってるなあ、と思うようになって行きました。
いきなり「退屈――――――!」とか叫びだすタケちゃんは尋常じゃないくらいに乙女で、かわいかった。


■ローズ/鈴木香音モーニング娘。’14

『秘密の花が綻ぶ』、サントラで聞きたかったああああああああ。

パンフレットによれば、ローズ、カトレア、ナスターシャム、チェリーで歌う『秘密の花が綻ぶ』は、稽古終盤で急きょ発注したため、サントラに間に合わなかったそうです(残念)。
この『秘密の花が綻ぶ』は舞台の終盤で歌われるのですが、この曲を歌う香音ちゃんはやっぱりいい声をしていました。
演技をしている時には、どこか自分を抑え込んでしまっている?感じがしたんですが、歌を歌っている時には、その枷が外れていたような気がします。
パンフレットでは「考え込んでしまうタイプ」と書いてありましたが、香音ちゃんは歌で爆発する(?)タイプな気がするので、次、ミュージカルがある時には、ソロ曲があったらいいなあ。


■ナスターシャム/勝田里奈スマイレージ

りなぷ~はずるい。

りなぷ~はりなぷ~であるだけで、かわいいし、アイドルだし、妙に存在感がある。
ナスターシャムも、どこまでがりなぷ~で、どこからがナスターシャムなのか……。
どこまでが演技で、どこまでが天然なのか……。
比較的出番が少ない中で、おいしいところを持って行き、笑いをきっちり取る、りなぷ~の姿に癒されました。
この重く、苦しい物語の中で、物語の枠にはまることなく「りなぷ~」であり続けるりなぷ~の姿に、何か、光明を見た気がしました。


■マーガレット/佐藤優樹モーニング娘。’14

あんなに台詞を覚えない、歌を覚えない、と評判だったまーちゃんが、『プリンセス・マーガレット』というソロ曲を歌いながら登場する姿に感動。
しかし、研修生の役名を度忘れしたのか、研修生をまさかの本名で呼ぶという超展開をもたらす……。
そういうところも含めて、まーちゃんは奇跡だな、と思いました。
歌もダンスも上手なんですけど、まーちゃんはまーちゃんなんですよね。
りなぷ~もそうですが、辛い運命を少女に強いる『LILIUM』という物語において、「そんな物語知らないわ」とでも言わんばかりに、自由に舞台を掻き回すまーちゃんの姿は、沈鬱な雰囲気に支配されたミュージカルに射す光のようでした。
りなぷ~やまーちゃんみたいに、頭で考え過ぎず、世界観に飲みこまれず、常に自分でいられる力って、すごく「強い」ものだと思います。
「少女」に対してある意味ではとても残酷で暴力的なこのミュージカルにおいて、その物語を「あはは」と笑い飛ばせるまーちゃんやりなぷ~の姿こそが、このミュージカルに対する「少女」の真の応答なのかもしれない。


■ジャスミン、クレマチスミモザ
 田辺菜々美、加賀楓佐々木莉佳子ハロプロ研修生


まとめちゃってごめんなさい……。上記の、まーちゃんが台詞を間違えた時、アドリブ?で即座に反応を返す研修生に感動しました。すごい瞬発力。普段のレッスン量と意識の高さが伺えました。
そして、歌もダンスも上手い。まったく、先輩たちに引けを取ってなかったです。これから、娘。12期オーデも、新ユニットも、楽しみです。

 


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