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ニワノトリ

ハロプロ、大森靖子さん、宇多田ヒカルさん、amazarashiなどのJ-popの楽曲レビュー・考察、ライブレポなどを書いているブログです。カテゴリ「このブログについて」に記事のまとめと更新情報があります。ご連絡はTwitter:@ok_take5、メール:tori.niwa.noあっとgmail.comまで(http://n1watooor1.exblog.jp/は愚痴用になりました)。

「気持ち悪い」/大森靖子さんの年末イベントとカウントダウンライブに行って来た話 その2

2.カウントダウン編


新宿ロフトで大森さんの出番が終わった後、年越しそばを食べながら耳を澄ましていたら、「いやー、二本目のイベントとは思えないね!」「このあと、代官山行きます?」みたいな会話が大量に聞こえてきた。
どうやら、大森さんと共に、ロフトプラスワン新宿ロフト→カウントダウンという三本立て大晦日をお過ごしになる方がたくさんいらっしゃるらしい。
そういう話をしている人たちは総じて大森靖子Tシャツを着ていて、おじさんもお兄さんもお姉さんもみんな、見た目も会話も雰囲気も、どこか普通ではない感じがした。
大森靖子ヲタは、強くて濃い人ばかり。
たぶん、大森靖子Tシャツとライブ空間が余計にそうさせているんだろう。

 

気持ち悪い。

 

 

***

 

 

気持ち悪い

 

2014/12/31は、そんな言葉を何度も聞いた一日でもありました。

前記の新宿ロフトのイベント、大森さんは、最前で身を乗り出すヲタたちに向かって、「くっせえなお前ら!」と言い放ち、ケラケラと笑っていました。
カ ウントダウンでは、大森さんやメンバーからのお年玉プレゼントをもぎ取って行く、おまいつな強いヲタたちに、「本当に気持ち悪い」「古参とかマジ気持ち悪 い。新規つかねえんだよ」(的なこと)を、やっぱり、ケラケラ笑いながら言っていました。そんな大森さんの言葉を聞いて、ファンの人たちもケラケラ笑って いました。

特にカウントダウンは、イツメンなヲタの人が集結していたようで(当然か……)、大森さんは、対バンや音楽フェスで見る時よりもリラックスしているように見えました。
だからこその、「気持ち悪い」連発だったのだと思います。
大森さんとファンを結びつける、合言葉のような「気持ち悪い」という言葉。
大森靖子という人の現場で、「気持ち悪い」というのは最大の褒め言葉である。んだと思う。
ミッドナイト清純異性交遊ラジオでも、大森さんは気持ち悪いメールを募集しているし。

 

大森さんへの想いをこじらせたキティたちの気持ち悪い思い入れ。
それが、爆発する場所としてのカウントダウンライブは、2014年の終わりも、2015年の始まりも、気持ちいい音楽と声援に溢れていました。

 

***


カウントダウンライブの会場は、代官山にある「晴れたら空に豆まいて」というライブハウス。代官山駅から徒歩30秒。私、大体、東京に来たら道に迷うんですが、初めて、迷うことなく現場にたどり着けました! とても分かりやすい場所にあって、助かりました。
定員200名という小さめの箱でしたが、和風というかエスニックと言いますか。
木を基調とした内装と黄色っぽくて優しい色をした照明にとても雰囲気がある、素敵な会場でした。

そ んな素敵な空間に、中に入ると、大森靖子Tシャツを着た強そうな大森靖子ファンの方がズラリ。正直、超、濃い!w そして、女の子がかわいい。
そんなおまいつな面々の中、私がここに来てよかったのか……と若干不安になりつつも、まあ、とりあえず楽しもう! と開演の時を待つ。

 

***


11:30から、予定通りに演奏開始。
私は前から四列目あたりでうごうごしていて、正直、殆ど人の背中しか見えなかったんですが、人の背中を超えて聞こえてくる音楽はとてもかっこよかった。
カウントダウンが始まるまでの前半戦は、レアセトリ(大森さん談)で、初めて聞く曲もたくさんあったんですが、目をつぶってじっくり聞き込みたくなる、そんな感じのしっとりしたセットリストでした。

そして、カウントダウンが終わってからは、一気にテンションが上がって行きます。

 

2015年。大森靖子&THEピンクトカレフが演奏した一曲目は「hayatochiri」でした。

 


20130916 EXTRA!!! vol.3 大森靖子&THEピンクトカレフ 「Hayatochiri」「最終公演」 - YouTube

 

 

あと一手で詰んでる終盤戦 一歩が飛び込こめない中央線

 

この歌にあるのは、勝負が終わる一歩手前でグズグズグズグズと燻っているようなかっこ悪い現状。
でも、大森靖子の歌詞と音楽は、こんなにもかっこいい。
ピンクトカレフの演奏は素人耳にもキレキレで、この音楽を裏切らない一年にしたい、そんなことを思いました。

 

「hayatochiri」「きゅるきゅる」「あたし天使の堪忍袋」と、テンションの上がる曲が続いて、本編最後は「歌謡曲」。
ピントカと大森さんの奏でる音楽は、音量は大きくても、ガンガン響くというよりは、優しく響き渡る感じで。とても心地のいい空間がそこにありました。

 

その後、上にもちらりと書いたお年玉プレゼントコーナーが始まる。
大森さん、二宮さん、美マネ、ピントカメンバーの私物がくじ引きで当たるコーナーがあったのですが、くじ引きなのに、当たるのが全部、いわゆる「強い」、おまいつなヲタの皆様だったらしく。
当たった人が手を上げるたびに、会場が「お前かよ」みたいな笑いに包まれていて、キモあたたかかったです。

そして、その後のアンコールでは、新宿ロフトでやった曲を全部(正確にはちょっと違った)やってくれるという大盤振る舞いに驚き。
大森さんのギターをバックに『エンドレスダンス』を歌うコショージさんまで見られました。
正直、コショージさんの「エンドレスダンス」は超かわいかったです……。
声がカワイイというのもあるし、何だろう。あ、大森さんファンの女の子って、もしかしたら、カラオケや、自分で弾き語りをしながら、こうやってこの曲を歌うのかなっていう、女の子のリアリティがありました。

 

更に更に。
ダブルアンコールでは、大森さんが弾き語りを披露してくださいました。
演奏したのは「ハンドメイドホーム」「赤い部屋」「イミテーションガール」「秘めごと」の四曲。
こ の四曲も、抽選式で、選ばれた人がリクエストする形式で行われたのですが。当たった人たちの選曲が素晴らしかった。
当たった人が曲名を叫ぶたびに、周りの キティさんが、そう来たか、みたいに「おお」というどよめいていたのが印象的でした。
ダブルアンコールで四曲もやってくれるという大盤振る舞いと、私が当たったら何をリクエストをしようというドキドキで、とても贅沢なダブルアンコールになっていたたと思います。

 

終演後も、キティさんたちがずっとわいわいしていて、大森さんやピントカメンバーも普通にヲタの人としゃべっていて、あまりの距離の近さにビックリしました。
私は諸事情によりあまり長居はできなかったのですが、なんていうか、ファンの人たちと大森さんのキモあたたかい絆の深さが伝わって来て、こうやって、みんな明日から新年、がんばっていくんだろうなと思いました。私も頑張ります! 


***


カウントダウンが終わって、新年の中央線に乗りながら、誉め言葉としての気持ち悪いって何なのかなあ、と考えてました。
誰かにとって、自分が気持ち悪いということは、とても居心地が悪いことです。他の誰かの現実に自分の現実が理解されなくて、そこに「気持ち悪い」というレッテルを貼られてしまった瞬間の絶望感。
でも、きっと、そういう、誰にも理解されないこじらせた思いや絶望の先にあるのが、大森靖子という人の曲なんだと思います。

 

イタくなきゃつまんないよ
いつかざまあみろっていいたい(hayatochiri)

 

気持ち悪かったり、イタかったり。
大森靖子を崇め、大森靖子死ねTシャツを着て、ヲタが嬉々として「進化する豚!」と叫ぶ様は、もしかしたら、とても気持ち悪くてイタいのかもしれません。
でも、きっと、みんな、そういうイタくて気持ち悪くて誰にも理解されないような自分の感情の居場所を探して、大森靖子の歌を聞きに行くんだと思う。

そんなことを考えながら、カウントダウンライブで、おじさんに揉みくちゃにされながら頑張って右手を上げる女の子の背中を思い出しました。

 

だからSEKAINOOWARIより 終わってるわたしにできること
勝ちパターンと負けたときの言い訳 告げ口のように歌ってる
告げ口のように(hayatochiri)

 

地下二階のライブハウスで、私たちは世界に告げ口するように大森靖子とTHE ピンクトカレフの音楽を聞いて、右手を上げました。
理解できないものを気持いの一言で排除してしまうあなたたちは、とてもつまらないですね。と叫ぶように大森靖子の音楽を聞いて、「進化する豚!」と叫びました。

気持ち悪さはかっこよさであり、気持ちよさなのだと、証明するように、大森靖子の音楽は小さくてキモくて暖かい箱の中に響いて、私たちを2014年から2015年に連れて行ってくれました。

大森靖子の音楽の中にはいつも、終わりじゃなくて、始まりがある。
ピントカの演奏と大森さんの声と気持ち悪いキティたちの体温に包まれながら、そんなことを実感できる、とても素晴らしいカウントダウンライブだったと思います。

私も、私の仕事を頑張ります☆

 

***

 

その1はこちら


 niwanotori.hatenablog.com

 

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