ニワノトリ

Twitter:@ok_take5、メール:tori.niwa.noあっとgmail.com

(ハロヲタが)一人で行った「君は水飴」@梅田ハードレイン

 

先週末、2/21(土)に、梅田ハードレインで行われた「君は水飴」という対バンイベントに行ってきましたー。レポート書くよー……といえるほど音楽に詳しくはないので、感想文を書きます。
今さら感あふれててすみません;

 

■スーパーライフの地下にハードレイン

 

会場までは、梅田駅から大体徒歩15分くらい?だったでしょうか。昼間から、飲み屋やカラオケが賑やかにやかましい東通商店街……から、大きな道路を隔てたオフィス街。『HARDRAIN』と書かれた赤い看板は、スーパーライフの正面に伸びる小さな路地にありまし

……スーパーライフって書くと、ライフを超える、みたいなダサ……かっこいい単語に見えますが、「ライフ」というごく一般的なスーパーマーケットです。ライブハウスと言えば、なんか、いかにもここら辺にライブハウスありそうだな、みたいな、お店が乱立したごちゃごちゃした祝祭空間にあるイメージがあったんですけど、ハードレインはおじさんおばさんお姉さんが半額になったお惣菜を買いに来るような、普通のオフィス街というか住宅街?にありました。

私が今まで行った数少ないライブハウスの中でも一番小さくて、お客さんは100人入らないくらい?だったと思います。一番後ろに居ても、ステージがよく見えるし、音もガンガン聞こえました。オレンジ色の照明と木調の店内が雰囲気とてもいい感じ。

松屋とかローソンとかオフィスビルが点々と並んでいるそっけない風景の下で、日々、若者たちが音楽を弾き狂っているのかと思うと、地上と地下のギャップが面白かったです。

 

■初心者にも優しい対バンだったよ

 

私、ライブハウスに足を運ぶようになって一年と経っておらず、ライブハウスという場所に全然慣れていないので、ライブハウスに行くときにはいつも内心びくびくしてるんですが(おしゃれな若い子が多いので……)。

今回の対バンは、すごく居心地よく過ごせました! 

とても初心者に優しい対バンだったと思います。一年前、初めてライブハウスに行って、どう振る舞えばいいのか分からずおどおどしていた私をこのイベントに連れてきてあげたい(笑)。

小さい箱ならではの発見とかもあって、そんなに音楽に詳しくない素人的に楽しめるポイントが沢山ありました。

 

①バンドによって音が違うということがよく分かる

 

私、今まで、正直、心のどこかで『楽器って誰が弾いても同じ音がでるもんじゃないの?』と思ってる部分がどこかあったんですけど(本当にすみません)、今回の対バンで、バンドによって音が全然違うわ、っていうのがよく分かりました。最初の第一歩すぎてすみません; 今回の出演者は、どのバンドも一聴して分かる独特の世界観があって、このバンドとこのバンドはちょっと似てるなーみたいなところが全然なかったので、私みたいな一般人にも音の違いが分かりやすかったんだと思います。

あれですね。初心者はドラムを聞いてたらバンドの違いが分かりやすい気がします。ギターとかベースはどの音をどの楽器が発しているのか聞き分けるのが難しいですが(難しいんです……)、ドラムだったら、激しい、激しくない、くらいはすぐに分かるので。

……という発見があっただけでも個人的には超収穫でした。

 

②ステージ社会科見学

 

ステージがそんなに高くない……というか、客席とほとんど同じ高さだったのも楽しかったです。楽器をセッティングしてる時から、ライブ中までアーティストの全身をマジマジと見られました。あの銀色のカバン(?)の中にはこんな機械が入っているのかーとか、そうやってコードつなげるんだーとか。そういうの見るのって楽しいです。何か楽しみ方が完全に社会科見学的というかおばさん的ですけど……。

もちろん、楽しかったのはセッティング中だけではなく。
ライブ中は、もう演者の人との距離がすごく近くて、時には、ステージから降りて、客席でギターソロとか聞かせてくれたりして、本当に贅沢時間をありがとうございますって感じでした。
ハロプロのライブ行ってても思うんですけど、箱って大きければいいってもんでもなくて、近くで見られるに越したことはないじゃないですか(大きい箱でやるイベントの高揚感・お祭り感もたまらないですけど)。
今回のイベントは、そんなに高い料金を払っているわけでもないのに(ドリンク込みで2600円?だったと思います)、全バンド、すごい間近で聞けたので、すげー贅沢してるな私、と思いました。

あと、すごい余談なんですけど……今回のライブで、私、ギターとかベースの人が、足でも何か操作しているということも初めて知りました(無知)。セッティングしてる時からギターの人の足元にある、あの半導体のでっかいやつみたいな板は何だろうと思ってたんですけど……あれがエフェクターってやつなんですね(家でググった)。ステージが客席より高いと、演者の足元は見られないし、DVDとかYouTubeでもなかなか映らないんで、今回のイベントに来てなかったら、私、エフェクターの存在を一生知らなかったかもしれません(笑)。

 

■それぞれの出演者さん

 

 

相変わらず前置きが長いですね……。
あと、音楽的なこと何も書けないですけど、一組ずつ、演者さんの感想書いてみますね。

 

①Emu sickS 

 


Emu sickS / Screw Driver - YouTube

  

個人的な話しますと、私、このイベントの前に、ある対バンイベントに行ってたんです(このブログで取り上げているアーティストの方とは全く関係ないライブです)。いつ、どこで行われたイベントとは言いませんが、そのイベントはノリが全体的に内輪ノリで……観客から飛ぶヤジも大学生ノリだし、バンドの人も転換の時に、それ、音合わせじゃなくて自分の演奏技術を自慢するためにやってるだけだろう! みたいなドラムの叩き方をしてたりして、何か、「私、何で来ちゃったんだろう……」みたいな置いてけぼり感がすごく、なんか、ずっと、(´・ω・`)こんな表情になってしまうような……個人的にはあんまり楽しいライブではなかったんです;

 

……という経験をしていたので。

 

今回のイベントも、ライブが実際に始まるまで、また、こんな(´・ω・`)ことになったらどうしようと、内心、不安を抱いてたんです。

が、Emu sickSさんは、ライブが始まった瞬間から、一音目が鳴った瞬間から、私をちゃんと音楽の世界に連れて行ってくれました。もう、それだけですごい「よかったー置いてかれなかったーTT」という安心感がすごかったです(笑)。

私は音がどうとか言うことは言えないんですけど、お客さんもすぐにノリノリになってたし、全体的に若々しいエネルギーに溢れてて、トップバッターにふさわしいなって感じでした。向かって右端のギターの人が、めっちゃ飛び跳ねてて、全体的に、みんな演奏するのが楽しそうだったので、見てるこっちも乗りやすかったです。 

 

②そこに鳴る

 

 
そこに鳴る / pirorhythm stabilizer 〜only your world〜【PV】 - YouTube

 

全体的に、演奏の切れ味がすごくて、ステージの上にバンドの世界観がぐいぐい作り上げられていくのが目に見える様でした。音だけじゃなくて、ギターの人とベースの人が背中合わせになるパフォーマンスから、歌っている時やドラムをたたいている時の表情まで、全部ひっくるめて、キレキレで、ステージ付近だけ異空間って感じ。まさに「そこに鳴ってる」と感じさせられるような、「あそこ」でも「ここ」でもない絶妙な距離感がありました。

 

……個人的にはベースの女の子がすごく好きでした。

歌ってる時の表情がかわいい子っているじゃないですか。くしゃってなる表情がすごくかわいい子! それでした……。

ピンク色のワンピースと白いバレエシューズ(だったと思う)もかわいかったし。ガンガン演奏してるのはかっこいいし。かわいかっこよくて応援したくなりました。

 

③穴あな

 


穴あな-カエル - YouTube

 

漂うアンニュイ感。

主催者の方が「純文学」という形容をされてたんですけど、ほうほう、言い得て妙だな、と思いました。
エンターテイメント小説みたいな、うわー面白いー!次どうなるの!?っていうアッパーな高揚感はないけど、読むという行為そのものにある高揚感は何かある、みたいな。その場にずっとぐずぐず留まるような気怠さがあるのに、暗暗してなくて、どこかポップで、個人的には、一番、好みでした。

 

f:id:n1wator1:20150226003206j:plain

 

CD買ってしまった。

これからしばらく定期的に活動できないらしいという情報をどっかで聞いた気がしたので、買うなら今しかないと思って……。

 

 

④the biens

 


The biens - Maybe ( WORST MOVIE Ver. ) - YouTube

 

以上3バンドをスピーカーの真ん前で聞いていた結果、耳が痛くなってしまうというミスを犯し;、後ろの方に後退せざるを得なくなってしまったのですが……後ろの方で聞いていても十分に楽しめました。

私はどちらかというと歌詞で音楽を聞くタイプで、しかも、邦楽しか聞かないので、私の頭は日本語に冒されてるんですけど……だからこそ、the biensの、きづいたら英語になってて、きづいたら日本語になってる、みたいな歌詞は刺激的で、聞いてて面白かったです。

やっぱり、歌詞には意味はあるけど、音楽をやる上では、一つの音でもあるんだよなーっていうことを再認識しました。

 

 

⑤壊れかけのテープレコーダーズ

 

私でも知ってる! 

小森さん!

ということで、ピントカで拝見したことのある小森さんも参加されているバンドです。

「小森さんが歌ってる……!」という衝撃から始まりました(そこからか)。

いや、ギターを弾いてる印象が強くて;; 特徴のある、癖になる歌声ですよね。

私は一番最初に書いた通り、心のどこかで「楽器なんて誰が弾いても同じじゃね?」と思ってた不遜なやつなんですが……壊れかけのテープレコーダーズの一曲目の間奏で、ギターの音を聞いた時に「あ、この人、ピントカでギター弾いてる人だ!」って思いました。
いや、知識としては知ってたんですけど……。ギターの音を聞いて、それをすごく実感しました。ギターの音で人を見分けられるっていう体験は初めてで、何か嬉しかったです。

音楽は脳に直接に響いて、迫ってくる感じで、客席も巻き込んでどこかにとんでいってしまうような、高揚感がありました。
私はこの曲が好きでした。

  

 


壊れかけのテープレコーダーズ/聖者の行進 - YouTube

 

 

私が立っている位置からは、ドラムの方がすごくよく見えたんですけど、ドラム叩くのがすごく楽しそうでした。本当に楽しそうでした。
歌詞も口ずさんでて、その様子を見てるだけで、こっちも何か無性に楽しくなって来る感じでした。

初めて行ったBerryz工房のライブで、まあさのダンスを見た瞬間に緊張も解けてすごく楽しくなった時のことを思い出しました。

 

f:id:n1wator1:20150226003126j:plain

 CD買っちゃったその2。
翌日出番の高野さんからも購入させていただきました。

 

⑥ワタナベアヲヰ『ことば地獄』

 

f:id:n1wator1:20150226003012j:plain

私、ライブハウスに入ってすぐにこの本を購入しまして、家に帰るのを待ちきれなくて、ライブが始まるまでに、この本をパラパラしてしまったので……。私、もしかしたら、関係者の方以外で、この本を買った第一号で、この本を開いた第一号かもしれません。

次の日、『ことば地獄』を読み終わった時、もしかして本当に第一号だったなら、それは本当に光栄なことだな、と思いました。

 

『ことば地獄』を読みながら、心が上に行ったり下に行ったり、色々な想いが頭をぐるぐるとよぎりました。

この一冊にさらけ出された、才能を沢山の人に知ってほしい。と思ったり。

だけど、あまりにも才能がさらけ出されているから、なんか逆に、この言葉が本当に不特定多数の、"沢山の"、目に晒されるべきなのだろうかと、勝手に戸惑いを覚えてみたり。

だけど、そんなもどかしさは、最終的には、他ならぬ『ことば地獄』の言葉そのものが蹴っ飛ばしてくれました。

絆創膏のはられていない傷口から血が流れ出す様を、遠くからじっと眺めているような、そんな気分で読みました。そこにある痛みはとてもリアルに伝わってくるのに、そこに広がる世界そのものには、どんなに手を伸ばしても手が届かないような、そんな不思議に痛い感覚がある一冊でした。

ことば地獄の奥に手動の自動ドアがあって、そのドアが開くことがあるとしたら、また何かの形でワタナベアヲヰさんのことばの世界を覗かせてほしい。

 

この本についてくる(?)、この本に関係しているある方の言葉も素敵で、ワタナベさんの世界の幕を開けるのはこの方にしかできなかったんだろうなと思いました。

 

 

……ちなみに私、この本を愛媛で開いた第一号でもあると思います(唐突に愛媛)。

実は私、このライブの次の日に愛媛に行く用事がありまして(だから二日目は行けなかったんです……;)、愛媛と言えば、大森さんの出身地じゃないですか。だから、絶対、愛媛で読もうと決めてたんです。

実は、もう一冊、愛媛に持って行った本があるんですが、その本の感想は4月あたりに書きたいと思ってます。

 

***

 

 

最後に、主催者の方々は物腰柔らかで親切で素敵だったことを最後に記しておきたいと思います。バンドの方たちとも、とてもいい関係を築いてるんだろうなーっていうのが、雰囲気で伝わってきました。

対バンイベントの主催者って、本当に音楽が好きで、この人たちを盛り上げたい!知ってほしい!っていう気持ちがないと、なかなかできることじゃないと思うんですよね。去年、このイベントを主催された方のブログの記事を読んだ時に、そうか、イベントって主催する人がいないと実現しないんだよなってことを改めて知って、感動しちゃったんですけど……。

 


 この記事です

 

人の心を動かす音楽の力ってすごく素敵だけど、その心の動きに応えて、実際に体を動かして行動に移すというのは、万人にできることではないと思います。だから、実際に体と頭を動かしてこういうイベントを開催して、私たち観客に、色んなバンドに対面する機会を用意してくれるっていうのは、本当にありがたいです。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

以下、個人的な話なんですけど。
私、この日がとても楽しみでした。

主催者の方と、ワタナベさんはTwitterとBlogで存じ上げてて……とても文章が好きだったので、そんな方々が関係するイベントには絶対行きたいなーと思ってました。
上にも書きましたが、「好き」っていう気持ちで、色んなことができるんだなー、ということを教えてくれた方たちだったので、何か、少しでも応援したいな、という気持ちもあり。

うん、2月に帰れて良かったです。楽しかったー。

私は、関西出身なので、梅田という街はたぶん、もう何百回と通り過ぎたり、遊びに行ったりしてるんですけど……遊びに行くといってもたいてい、ロフトの上から下まで行ったり来たりするくらいのもので、私の梅田の地図には阪急とロフトくらいしかなかったんです。

でも、私がロフトをうろうろしているその足元で、日々、色んなイベントや音楽が流れてたんだなーと思うと、今回、初めて梅田のライブハウスに行って、ライブを見て、今まで知らなかった梅田を見られて、よかったなあ、と思います。同時に、今までもったいなかったなとも思います……。

 

ハロプロ以外のライブに行くようになったのは、本当にここ一年くらいの話なんですけど……。

バンドの音楽は、アイドルのライブとはまったく違う形で日常とは違う世界に連れて行ってくれて、自分の平凡さとか、苛立ちとか、そういうのを全部忘れさせて、浄化してくれる感じがして、好きです。

そのことを再認識させてくれるような、素敵なイベントでした。

ありがとうございました。